Affi+Stock!!

アフィリエイトの収入を米国株に投資して将来に備える

経済指標18.経常収支~無理が出てきた貿易不均衡~

経常収支

アメリカは長年貿易赤字から抜け出せなくなっている

アメリカ人は輸入品が大好きです。輸入品なしには生きられないと言っても過言ではありません。過去20年にわたって、中国産のものを中心に大量の輸入品を消費し続けてきました。

しかし、その結果、世界の経済に巨大なひずみを生み出してしまいました。

外国の製品をたくさん買うこと自体は、悪いことではありません。世界の経済は貿易によって成り立っています。問題は、外国から買う金額と外国に売る金額の間に大きな差があることです。アメリカ人は外国の商品やサービスに莫大なお金を費やしていますが、ほかの諸国は米国のものをそれほど買ってくれないのです。こうした状態は数年間なら大丈夫かもしれませんが、ずっと続けられるものではありません。

こうした輸入額と輸出額の差は、「経常収支」と呼ばれる数字で正確に知ることができます。

f:id:t-dicek:20170218124507p:plain

経常収支は、貿易収支と言い換えてもアメリカを含むたいていの国の場合は、ほぼ意味は同じです。国の経済における経常収支は、正確には貿易収支と利子所得、配当所得、海外援助の合計を指します。経済学においては経常赤字という言葉が使われていますが、貿易による赤字のことをいっていると思っておけば大丈夫です。アメリカはもう長年、この貿易赤字の状態から抜け出せずにいます。

では輸入のためのお金をどうしているかというと、外国からお金を借りたり、資産を売ったりしているのです。これは家庭に例えるなら、家宝を売って食事にしているようなものです。一度や二度なら仕方ありませんが、長く続けられるやり方ではありません。

アメリカは長年にわたって大きな貿易赤字を抱えてきました。その結果、巨大な不均衡が生み出されています。特に問題なのは、輸入のために外国から多額の借金をしていることです。このままではやがて米ドルの下落につながり、世界の経済にも悪影響を及ぼすことになります。


ニューヨーク大学スターンスクールの経済学教授ポール・ワッチェル氏は次のように述べています。

「こうしたやり方を続ければ続けるほど、世界に対する負債は膨らみ、返済には長い時間がかかるようになります。そうすると、やがて疑問が持ち上がってきます。アメリカは本当に利息を払えるのか?と諸外国が心配し始めます。」

赤字が5%超なら通貨を手放す

経常赤字を読み取るときのポイントは、国の経済全体、つまりGDPに対する赤字額の大きさを把握することです。またある時点の赤字額だけで判断するのではなく、一定期間にわたって見ることが大事です。貿易収支は景気の局面によって大きく変動するからです。

一般に、景気が後退しているときには貿易収支が悪化し、景気が回復してくると貿易収支も改善されます。ですから特定の月のデータだけを見るのではなく、数カ月間の傾向を把握する必要があります。

ワッチェル氏は貿易収支が健全かどうかを測る目安として、「GDPの5%以内の貿易赤字なら問題ありません。」と説明します。5%を超えると、注意が必要です。

経済の規模が小さい国において貿易赤字が5%を超えると、通貨危機の可能性が高まってきます。小さな国の場合、貿易赤字が大きすぎると通貨が暴落することになるのです。

例えば、ハンガリーの通貨が暴落した直前、ハンガリーの経常赤字はGDP比でおよそ10%になっていました。ギリシャも同様の問題を抱えていました。

アメリカ経常収支(対GDP比)の推移

一方で、コンスタントに貿易赤字も出している国は投資家たちの人気を集めるので、急速な経済成長が期待できます。新興国のなかで貿易黒字の大きい国は将来有望であり、投資対象としてかなり魅力的です。

ところでアメリカは新興国とは違い、貿易収支について特殊な立場にあると考えられてきました。米ドルが基軸通貨である以上、通貨危機に見舞われることなく貿易赤字を続けていけると言われてきたいのです。しかし、近年では、疑問の声も大きくなっています。

このような貿易赤字をいつまで続けているのでしょうか?

ワッチェル氏いわく、「長くはないでしょう。あと5年か10年もすれば事態は変わってくるはずです。」

だけどアメリカの貿易収支の改善がなかなか見られません。遅くとも数年以内に改善しなければ、米ドルは大幅に下落するかもしれませんね。

対外不均衡とマクロ経済―【理論と実証】

対外不均衡とマクロ経済―【理論と実証】