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経済指標23.イールドカーブ~1年後の景気を占う信頼度の高い指標~

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短期国債と長期国債の利回りの差を見て1年後の景気を予測する

国債市場の動向を追うのは、経済の専門家にとってさえ、ペンキが乾くのを観察するような退屈きわまりない仕事です。

しかし、それをやり遂げるだけの忍耐力を持ち合わせているならば、それだけ大きな利益が見込めるエリアでもあります。

では、国債の何を、どのようにして見ればいいのかというと、短期国債と中長期国債の利回りの差を見ます。短期国債はTビルとも呼ばれ、3カ月ほどの短い期間で満期を迎えるものを指します。中長期国債はTノートとも呼ばれるもので、10年ほどの比較的長期にわたって保有するものを指します。

このような、満期まで期間が異なる債券の利回りの差を視覚化したものが、イールドカーブ(利回り曲線)です。縦軸に利回り、横軸に期間をとって、残存期間の違いによる利回りの変化をグラフで表します。これは景気拡大のなどのターニングポイントを知る上で、非常に有用な手掛かりとなります。

通常は長期の債券のほうが利回りが良い場合が多く、イールドカーブは右上がりの曲線になります。

一方、イールドカーブが右下がりになっている場合、つまり3カ月の短期国債に比べて、10年物の長期国債利回りの方が小さいときは、1年後に景気が後退する可能性が劇的に上がります。

2017年2月28日のイールドカーブがこちらです。

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このアメリカのイールドカーブを見ても分かるように、今は右上がりの状態です。今のところ景気悪化のリスクは小さい、まだ楽観的に見ていられるでしょう。

長期に比べて短期の利回りの方が大きければ大きいほど、景気の後退の可能性はそれだけ高まっていきます。

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のストラテジスト、アンソニークレセンツィ氏は、イールドカーブを「かなり信頼できる指標」と評価しています。

1995年に、全米経済研究所(NBER)のアーテュロ・エストレラ氏とフレデリック・ミシュキン氏が行った調査でも、こうした利回りの差と1年後の経済状況との間に顕著な相関関係があることが確かめられています。

なぜイールドカーブは景気の変化を予言できるのでしょうか。もっともシンプルに説明するなら、中長期国債の利回りは、将来の短期金利がどの程度になるかという投資家たちの予測によって決まってくるからです。10年後に短期金利が高くなるだろうと考えられていれば、10年物国債の利回りも高くなるのです。

10年物利回りが下がると、短期金利も下がることが予想されます。なぜかというと、経済情勢の悪化に対応するために、連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを行う可能性が高いからです。

イールドカーブはいわば世界中の投資家たちの考えを1本の線にしたものです。イールドカーブの曲線の中には、何百万という投資家たちの期待値が埋め込まれていると言ってもいいでしょう。

右下がりになったら安全な債券に避難する

イールドカーブと景気時悪化の関連をグラフにしたものです。

これはエストレラ氏とミシュキン氏の論文から抜粋したもので、3カ月物国債の利回りに対して、10年物国債の利回りが小さくになるにつれ、翌年の景気悪化の確率が高まっていく様子を表しています。

このグラフによると、イールドカーブが水平なときには、1年後の景気悪化の確率は25%です。一方、イールドカーブが右下がりになり、利回りの差がマイナス1.5%になると、景気悪化の確率は75%にまで高まります。

イールドカーブは1年先のことを教えてくれるので、ゆっくりと時間をかけて景気の変化に備えることができます。特に景気悪化が予想される場合は、リスク資産を避けて安全な資産に投資することが重要です。

たとえば、格付けの低い債券、いわゆるジャンク債を避けて、格付けの高い債券や国債を買いましょう。これらの債権は金利の低下によって値上がりする傾向があります。

また、景気に影響されやすい企業の株も避けるべきです。

例えば、住宅関連の建築業者や販売店などは、景気の変化に連動しやすい傾向があります。逆に生活必需品や低価格商品を扱う企業の株は、景気の変動に強く安全な資産だと言えます。